トップ > 国宝倶楽部コレクション一覧 > 見どころ

偶然だろうか。現存する手紙は教えではじまり、遺言状で終わっている。 龍谷大学名誉教授 千葉乗隆

現存する親鸞聖人の直筆十二通のうち、東本願寺にただ一通伝えられているのが、「笠間の念仏者」にあてた手紙である。ただし、手紙といっても真宗の基本というべき知見を述べている内容からすれば、むしろ法語といったほうが適切であるかもしれない。

そして、十二通目は、遺言状である。この手紙で聖人は自分がなきあと子供たちへの援助を常陸の念仏者に依頼している。この手紙を受け取った常陸の人々は、支援をしたと伝えられている。手紙という性質から聖人の深い人間性を写し出しているといえる。